神崎川線の大まかな位置図
※どこかの資料でもっとはっきりした図を見たことがあるのですが、情報源を失念中(家にあったはず・・・)の為、とりあえずの位置図です
阪神高速道路公団時代に5号湾岸線と11号池田線を結ぶ路線として神崎川沿いに計画され、平成3年度に事業着手が認められて阪神高速道路の計画路線となりました。その後の道路公団の民営化もあってか、廃止や休止といった宣言もなければ、構想が本当に残っているのか微妙な状態で現在に至っています。(もしかしか、あえて寝かせている!? 大)
尚、平成3年度に計画路線となって以降、地質調査の名目で予算が付けれていましたが、道路公団が民営化される平成17年度までに神崎川線の事業費として執行された額が0円となっていましたので、地質調査も実施されていなかった模様です。
阪神高速道路公団史三十年史には「池田線の渋滞緩和に大きな威力を発揮する路線」という記載があり、阪神高速道路公団期待の新路線だった事が伺えます。計画区間となった当時は阪神高速道路公団の一般向けの道路地図にも計画路線として記載されていました。 道路構造としては、淀川左岸線(北港JCT〜海老江JCT)のようなジャンクション部は高架でその他は半地下・地下構造を検討していたようで、総工費2200億円という莫大な金額はその構造によるもののようです。
しかし、詳細については具体化出来ていなかったようで、大阪府議会の「土木建築常任委員会議録 平成9年9月定例会」の議録によると、阪神高速池田線の渋滞対策について「神崎川線という構想が阪神高速道路公団で事業中となっているが、現実にはルート、構造等がまだ関係者の間で煮詰められていない。」という発言があり、平成9年9月の時点ではまだ詳細が決まっていない状況で、計画が思うように進んでいないようでした。さらに「この計画を待つと非常に時間がかかるので、塚本の北にランプをつくるのはどうかと考え、阪神高速道路公団も必要性を認めて、平成8年度から調査採択を受けてランプの設置を検討している」という発言があり、阪神高速道路公団でも神崎川線の実現には時間がかかり、池田線の渋滞対策としては別の案も考えざる得ないという認識があったようです。尚、塚本の北には結局ランプは追加されず現在に至っています。
このような状況で、道路公団の民営化の話が始まり、神崎川線は阪神高速道路公団の計画路線ではありましたが、詳細を具体化出来ずにいた為、詳細な資料が無く出入口の位置などは不明です。
ちなみに、11号池田線と接続する位置にある大豊橋で今後大規模更新工事が行われます。桁を取り換えて路肩も広くする為、橋そのものを拡幅する様な感じになるので、既存の橋脚の外に新たな橋脚を作って、桁を支える橋脚の梁の部分を拡幅するようです。
(大規模更新工事については阪神高速の公式ページを参照ください)
ですが、ちょっと路肩を広くするだけなので、素人目には橋脚の下部構造の強化と梁部分の延長でまかなえそうにも見えますが・・・。上下線ともにもう1.5車線分ぐらいの桁を乗せられそうな、やたら余裕のある橋脚が作られるようで、JCTの分岐に流用できそうに見えるので妙な期待をしてしまいます。昔なら16号大阪港線と3号神戸線の西長堀出入口のように、後から南に伸ばせるように出入口追加工事の際に都市計画にない道路の準備工事も出来たでしょうが、民営化した今は真正面からそんな事は出来ないわけで、たぶん本当に桁の幅が広くなった分でいるのだと思います。
◆区間
大阪市西淀川区中島〜豊中市二葉町
◆今後の開通予定
海老江JCT〜豊崎IC:2020年度開通予定
◆総工費
2200億円
(阪神高速道路公団の各年度の年報より)
◆阪神高速道路公団 平成3年度建設計画
・神崎川線 予算:3億円
◆阪神高速道路公団 平成4年度建設計画
・神崎川線 予算:8千万円
◆阪神高速道路公団 平成5年度建設計画
・神崎川線 予算:3億円
◆阪神高速道路公団 平成6年度建設計画
・神崎川線 予算:1億円
◆阪神高速道路公団 平成7年度建設計画
・神崎川線 予算:1億円
◆阪神高速道路公団 平成8年度建設計画
・神崎川線 予算:1億円
◆阪神高速道路公団 平成9年度建設計画
・神崎川線 予算:1億円
◆阪神高速道路公団 平成10年度建設計画
・神崎川線 予算:1億円
◆阪神高速道路公団 平成11年度建設計画
・神崎川線 予算:1億円
※私が調べた限りでは平成11年度以降については予算が付けられていたような資料は見つかっていません。
大阪と京都の間には名神高速道路と第二京阪道路の2路線の高速道路がありますが、さらにもう一本を淀川右岸沿いに都市高速道路として作る構想があり、それが京阪連絡道路です。具体的には、京都の阪神高速道路久世橋線(計画路線)の久世橋出入口(仮称)から阪神高速道路神崎川線を経由して湾岸線へと接続するもので、地域高規格道路の候補路線となっています。
神崎川線の構想自体は残っているかは微妙な感じですが、京阪連絡道路については未だに構想が残ったようで、京都市で未開通の阪神高速道路(京都高速)久世橋線・堀川線・西大路線の3路線を見直す為に設立された「京都市京都高速道路検証専門委員会」の平成26年1月7日に行われた第3回検証専門委員会ににて、将来のネットワークとして京阪連絡道路が上げられています。
◆神崎川線と京阪連絡道路(第三京阪道路)の全体像(この図の神崎川線の線形はイメージ程度に・・・)
※上記図の京阪連絡道路のルートは阪神高速道路公団の年報平成6年度の阪神高速道路網図を参考にしています。