淀川左岸線の全線マップ(2期は下記図の海老江JCT〜豊崎IC)
淀川左岸線 2期区間マップ
淀川左岸線2期は既に開通済みの1期区間に続くもので、海老江JCTから新御堂筋と直結する豊崎ICを結びます。全線が堤防沿いの地下に建設される点では6号大和川線と似ていますが、こちらは道路構造物と堤防の構造物が一体となっているのが特徴です。その為、国土交通省と大阪市で「淀川左岸線(2期)事業に関する技術検討委員会」が開かれ、堤防の安全性や施工方法などの検討や審議を行われました。
今後は本格的に工事が行われるのですが、仮の堤防を作りその後に現在の堤防を壊して地盤改良などを進めるため工程が多く、道路本体(トンネル)の建設はまだまだ先になります。
豊崎ICでは新御堂筋に直結しますが、新大阪方面へのみの接続となり、ここでは梅田や天六方面などとは行き来が出来ません。阪神高速では出入口やICという表現がされていますが、新御堂筋とのJCTになります。この豊崎ICは当初は側道の一般道路へも北港方面への出入口を設ける計画でしたが、その出入口部分をそのまま本線として伸ばす形で門真JCTまでの「淀川左岸線延伸部」が計画された為、北港方面への出入口は新御堂筋方面へのみの接続になるように都市計画が変更されて現在に至っています。
そして、2025年大阪万博開催決定!!! 淀川左岸線2期は会場と新大阪駅を結ぶ非常に重要なアクセス道路となる可能性が出てきました。
開通予定は2018年11月24日時点では2026年度となっており、万博に間に合わせるには2年ほど前倒しが必要ですので、今後の阪神高速と大阪市・大阪府の対応が気になるところです。
◆区間
海老江JCT〜豊崎IC(4.3km)
◆今後の開通予定
海老江JCT〜豊崎IC:2026年度開通予定
(開通予定は 大阪市公式サイト淀川左岸線2期事業のページ記載の事業期間から推測しています)
◆事業費(1期区間の北港JCT〜海老江JCT含む)
北港JCT〜豊崎IC:約4312億円
(事業費の金額は平成26年度事業再評価について(淀川左岸線)平成26年12月16日より抜粋)
淀川左岸線2期は未開通の路線ではありますが、その道路計画はかなり以前から存在しています。
最初に構想されたのは、阪神高速道路公団発足前の路線案で、国道43号線の伝法大橋付近〜現在の12号守口線を結ぶ路線として「千里山線」という路線名で案がだされており、その後の公団発足後も構想が残されていました。
◆阪神高速道路公団発足前の路線案(1961年頃)
昭和45年には現在の1号環状線の外に「第2環状線」を設けてそこから新たな放射路線を建設する構想が出されました。これが、淀川左岸線2期の原典となるもので、「第2環状線」の海老江JCT〜豊崎間が「淀川左岸線2期」の区間にあたります。
海老江JCTの3号神戸線側の分岐用の構造物は開通時から用意されていますが、本来はこの「第2環状線」の為に用意されていたもので、それを使用して現在のJCTが建設されています。3号神戸線が武庫川からこの海老江JCT付近までは片側3車線で、ここから阿波座まで2車線に減っていますが、恐らくはこの「第2環状線」へある程度交通量が流れると予想してのものだと推測されます。
「第2環状線」は上下合わせて6車線で全線高架で構想されていましたが、構想が出された当時は公害問題が日本の大きな社会問題になっており、道路の騒音、排ガスもそうで沿線住民から建設反対の声があり、大阪府公害審査会にて調停が行われる事になりました。これにより都市計画を決定する事が出来ず、20年以上もの時間をかけた後に、平成5年に調停打ち切りとなりました。
そして、道路構造を変えて計画を作り直した(新たに計画し直した)のが現在の「淀川左岸線2期」になります。
◆昭和45年〜昭和57年の阪神高速道路の構想計画
↑昭和47年頃の阪神高速道路網図(阪神高速道路公団10年史より)
「大阪高槻線」と記載されているのが「第2環状線」の一部であり現在の「淀川左岸線2期」にあたります。
当時は放射路線の「大阪高槻線」の最初の着手区間と「第2環状線」の一部を一体で整備しようとしていたようで、本来は違う路線ではありますが、まとめて「大阪高槻線」と記載されています。